ちらし寿司や五目ずしやばらずしなど何となく似た感じのハレの日によく見かける料理です。郷土色があるだけのような料理に思うのですが、それぞれの違いや特徴は何なのでしょうか?
ご飯や飾り付けの違いでしょうか?ちらし寿司などは郷土色が強く地元の産物を盛り付ける様子なのでその具材や調理法の違いなのでしょうか?
今回は、ちらし寿司や五目ずしやばらずしの違いをご説明し、郷土料理として有名なばらずしなども見ていきます。個性豊かなばらずしをマネして作ってみませんか?
ちらし寿司と五目ずしの違いは?
イメージ的にはちらし寿司といえばご飯が見えないぐらいに錦糸卵と紅ショウガがのっていて、五目ずしは5品使用でばらずしは色々と並べたハレの日の料理のような気がしますが、はたしてどう違うのでしょうか?同じものなのでしょうか?
ちらし寿司と五目ずしの共通点は、
- 白米:共に酢飯にする
- 具材:色々可能
なにが違うのかというと、
- ちらし寿司:酢飯の上に具材を盛って飾り付けている
- 五目ずし:酢飯に味付けをした具材を混ぜ込んでいる
いやいや、五目ずしといっても錦糸卵やカラフルなデンブなどを置いて盛って飾ってるじゃないか!と思いませんか?
五目ずしの由来を見ていくと謎が解けるでしょう。次にご紹介します。
五目ずしやちらし寿司の由来は?
五目ずしやばらずしの由来には役人に禁じられた食物をいかに食べるかという庶民の知恵が秘められています。では、五目ずしやちらし寿司のそれそれの由来を見ていきましょう。
五目ずしの由来は?
五目ずしは、ばらずしがルーツであるといわれています。
ばらずしは岡山県の郷土料理です。江戸時代に岡山藩の藩主が質素倹約令を出しました。食事は一汁一菜としなければならないのですが、ハレの日などには庶民だってやはりごちそうを食べたいです。そんな時に…
魚や野菜などたくさんの具材を一見わからないようにして、酢飯に隠して混ぜ込んだものがばらずしだそうです。
五目ずしも最初はばらずしのように具材を酢飯の中に混ぜ込んでしまうものでしたが、次第に現在よく見られるような酢飯の上にも錦糸卵や紅ショウガや豪華にエビなどが飾られるようになったと言われています。
上にも具材を飾った五目ずしは「五目ちらし」と呼ばれることもあります。
ちらし寿司の由来は?
散らし寿司!つまり酢飯の上に具材を散らした寿司のことをいいます。酢飯に具材を混ぜ込むのではなく、酢飯の上に色々な具材を盛りつけて飾ったものがちらし寿司と呼ばれています。
言われてみれば確かに酢飯の状態はそれぞれ違います。酢飯ではなく白米に刺身などを並べたものはちらし寿とは呼ばずに海鮮丼と呼ばれています。
京都丹後のまつぶた寿司とは?
先ほど登場した岡山県のばらずしの具材は「エビ、煮あなご、人参、レンコン、錦糸卵、さやえんどう」で、味付けした具材を酢飯の上に盛り付けます。
これに対し、京都丹後のばらずしはサバを焼きほぐした「おぼろ」を使うのが特徴です。寿司は松の木で作った長方形の型や器に入れます。
松の木の箱は「ふた」になることから「松とふた=まつぶた」と名付けられたと言われています。その気になる具材は、かんぴょう、しいたけ、サバのおぼろ、かまぼこ、錦糸卵、紅ショウガ、さやえんどうなどとなります。
おぼろ以外は千切りの状態にして酢飯の上に広げて盛り付けます。とてもカラフルで華やかな寿司料理ができます。サバのおぼろが手に入らない時は、サバの水煮缶をフライパンで炒ってポロポロにして使います。
まとめ
ちらし寿司と五目ずしの違いやそれぞれの由来について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
ちらし寿司は酢飯の上にネタを飾ったもので、五目ずしは酢飯に具材が混ぜ込まれたものであることが分かりました。ばらずしの由来には酢飯の上に華やかに盛り付けるのではなく、隠れてごちそうをいかに食べるか庶民の知恵が秘められていたことも分かりました。
古い時代には地元の食材で作られていたちらし寿司ですが、さまざまな具材が手に入る現代なので是非、地元のちらし寿司のみならず、他県の寿司にも挑戦してみましょう。
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