最近では一般的なもみじなどの紅葉狩りとは別に、イチョウのための黄葉まつりなどが開かれていますね。黄金に光ったイチョウ並木はとても綺麗です。
しかし、うっかり見とれているとその足下には残念な形になった銀杏が落ちていて、踏んでしまったら最後。靴に独特の嫌な匂いがずっと残っています。帰宅中ならまだしもこれから通勤通学だというのに、恥ずかしい事態です。
あの臭い匂いをプンプンさせながら、狭いオフィスや会議室などに入っていったら、かなりのひんしゅく者になるでしょうね。
ところで銀杏の匂いは、なぜあんなに臭いのでしょうか。イチョウを楽しみつつ銀杏も可愛いと思えるよう、
- 銀杏の臭いの原因、
- 銀杏の臭いの取り方
- 銀杏の有効活用
などについてお話ししていきたいと思います。
銀杏の臭いの原因となる成分は?
銀杏のあの臭い匂いは、メス株の銀杏がなるイチョウの木で発生します。木と言っても銀杏の臭い成分や汁がイチョウの葉に付着してしまっていることもあり、葉だけならあんなに強烈な臭いではないのですが、銀杏の威力は恐ろしいですね。
匂いの原因となっている2つの成分について説明したいと思います。
- <銀杏の匂いの成分①>ブタン酸(ブタノールの酸化による油状の液体)
ブタン酸は油状でアスファルトについたシミがなかなか取れない厄介者なのが理解できます。酸化によるものというのも、酸っぱい匂いもあるので連想できます。揮発をあまりせず、匂いが着くと取れない…という性質があります。
秋晴れで乾燥した日でもイチョウの近くは匂いがしてきます。踏まれた銀杏のせいだけでなく、前から道路に付着したブタン酸が、いつまでも匂いを放していたわけですね。秋を感じさせてくれるといえば響きは良いのですが…。
驚くのは、このブタン酸は酪酸といって、実は人間の靴下などからも臭い匂いを放ちます。放っているのは靴下ではなく人間からですが、人間の皮脂に同様の成分があり、それが靴の中でこもり、匂うというわけです。人間にも銀杏同じ臭い成分があるだなんてショック。
- <銀杏の匂いの②>エナント酸(腐敗臭を出す同じく油状の液体)
エナント酸は腐敗臭と腐った油の匂いの混合の為、息を止めたくなるような臭い匂いになります。
銀杏が熟すと覆っている皮が柔らかくなり、強烈な匂い成分を放ち臭くなります。なかなか蒸発しないため匂いは継続されます。
銀杏を踏んだ!臭いを取る方法知りたい!
運悪く、銀杏を踏んでしまったときに、対処方法について説明したいと思います。
まずは、銀杏の果肉を靴から取り去ることです。ただし、成分が強烈で手荒れすることもあるので枝を使い、道路でこするなどしてください。臭い匂いは完全には取れないかも知れませんが、だいぶましにはなるはずです。
靴を水で洗います。通勤通学先でしたら到着後真っ先に水洗いしてください。これでだいぶましになるでしょう。そして帰宅後にもう一度洗ってみて、それでも臭いが取れないようでしたら、重曹を使うという手があります。
匂いが取れるかどうか不安なら帰宅時に重曹をドラッグストアなどで購入すると良いですね。スーパーや100均ショップでも取扱っていることがあります。
重曹スプレーで臭いや油などの成分をふんわり浮かせて流すと良いです。仕上げに水でしっかり重曹と臭いを洗い落とします。
洗えない生地のものなら、重曹スプレーでボロ布に吹き付け、それを臭い部分にかぶせるように近づけて様子を見てください。また、重曹は白浮きするので、必ず水ぶきをします。
憎き臭いの銀杏を退治しながら有効利用するには?
臭いイメージのある銀杏ですが、採れたての味をご存知ですか?もっちもちで、縁日で食べるものとは全く違うんです。初めて収穫後の銀杏を食べた時は、これ銀杏?と思いました。
落ちたものからどんどん皆が収穫していけば汚れや匂いも少なくて済むのに、あれを拾うなんて…という人が多いのも事実です。
銀杏の収穫時期は?
銀杏の収穫時期は地域にもよりますが9月中旬ごろから拾えます。イチョウがまだ黄緑の時ですが見上げてみてください。キンカンみたいな実がなっていて、中に硬いものがあります。それが銀杏です。
落ち初めの時期だと、あまり道路も土も汚れていないのでチャンスです。まれに許可がいる木もあるのでご注意ください。
銀杏を拾うには注意が必要?
銀杏を拾うときは「ゴム手袋+軍手」をしてください。銀杏はとても成分が強く手が荒れます。私はうっかりして、1ケ月ほど手荒れが続いたことがあります。
- ①大きい実を拾う(梅干し大ぐらい)
- ②持ち帰り、皮を指でつまんで銀杏を出す。
※硬いものは水をはったバケツに1晩おき、②をする。
- ③ザルなどに種を押し付けて洗う。
※皮のボニョボニョが残っていない状態にする。
- ④銀杏の状態になったものを天日干し。
早ければ1日で食べることもできます。封筒や、それより少し大き目の紙袋などに銀杏を入れ、封を数回折りレンジで3~5分ポンポンと音がなくなるころまでチン。塩をふって食べましょう。
まとめ
銀杏の匂いがなぜ臭いのか、原因となる成分や匂いの取り方についてお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか。
銀杏の匂いは揮発しないから厄介なんです。なぜって匂いを放って銀杏の実を守っている自然のことなので無理もないですね。
憎き敵は食べて、道路の匂いを軽減していきましょう。と町おこししてほしいです。道路に人がしゃがむから危ないのかもしれませんね。
採りたての「もっちもち」の実を是非一度お試しください。くれぐれも荒れないようにゴム手袋は必需品です。銀杏の臭い匂いには困り物ですが秋を楽しみましょう。
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