春を感じさせるたけのこは、芽を出すと10日ほどで数十cmや1mにも成長するといわれている成長が早い植物です。その為、農家や山の所有者がたけのこ狩りをする際には一気に掘りあげてしまい、大量に収穫してご近所におすそ分けすることがあります。
農家はドラム缶のようなもので大きいたけのこでも大量に茹でることができるのですが、一般家庭で大きいたけのこを2,3本もらうと見合う鍋がなくて大慌てすることがあります。また、この時期にはスーパーなどでも安い皮付きのたけのこが並んでいることもあります。
一般消費者には茹でてあるものが良いのですが手に入った以上、がんばって下処理をしてみましょう。重曹も役に立ちます。では、たけのこ特有のえぐみ対策になる下処理の仕方をご説明します。
たけのこのえぐみとは?えぐみが残ったらどうなる?
たけのこは上手に下処理をしないとえぐみが残り、どんなに上手な味付けで料理をしても食べられないほどに嫌なえぐみを感じることがあります。
えぐみ:あくが強くて舌やのどがひりひりするような感じや味(三省堂大辞林より)
上手なたけのこ料理しか食べたことがない人には、この下処理の重要性が分からないかもしれません。その為、まだえぐみが取れないうちに下処理をやめてしまうかもしれない危険があります!
えぐみが残ったたけのこは数十年たった今でも思い出すほどにのどがピリリとしてひどく嫌な食べ物になります。その為、次のような方法でしっかり下処理をして失敗のないようにすることをおすすめします。
基本的なたけのこの下処理方法をしってえぐみ対策を!
えぐみ対策になる下処理をご紹介する前に、基本的にたけのこの下処理とはどのようなことなのかご説明します。
- 根元の固い部分を惜しげなく5,6cm切り落とす
- 穂先のひげも含め5,6cm切り落とす
- たけのこに縦に切り目をつける(3ケ所程度)
- 皮付きのまま鍋へ
- 大きな鍋にたけのこがかぶるほどの水を入れる
- ヌカや唐辛子を入れ強火でゆでる(ゆがく)
- 沸騰したら吹きこぼれない程度の中火から弱火にして落し蓋をする(※)
- 40分から1時間程度ゆでる
- たけのこが柔らかくなったら(竹串がスムーズに入るぐらい)火を止めて冷めるまで放置
(※)落し蓋をしないとたけのこが浮いてしまうので完全に沈むように使います。
ここまでが下処理方法です。さらにえぐみを残さない為の工夫を次でご紹介します。
たけのこにえぐみを残さない下処理は即行の処理とヌカや唐辛子や米が秘訣!
たけのこにえぐみを残さないで下処理する為には、次のような知恵や注意点が昔から言われています。
- たけのこは掘ったらすぐに下処理すること!
- たけのこは皮ごと下処理すること!
芋やゴボウのように土がついたまま放置したくなりますが、たけのこはとにかく早く茹でてしまうことがえぐみを少なくする第一歩になります。そして下処理の工程においては
- たけのこはヌカや唐辛子を使ってゆでること!
ヌカや唐辛子は家にない!という人もいるでしょう。ヌカは米のとぎ汁で代用することもできます。米をそのまま使うこともあります。
その為、ヌカの心配は無用です。一説にはヌカや唐辛子はえぐみを抜くのではなく時間の経過で増えていくえぐみをストップさせるだけとも言われています。とにかく時間が勝負です。
- たけのこはたっぷりの湯でゆでること!
たけのこを下処理した際には、冷水にかけずに鍋の湯が冷えるまで放置します。その際に少ない湯でゆでた場合は、せっかく控えめになったえぐみが再びたけのこに吸収されてしまうこともあります。その為、たっぷりの湯が必要なのでたけのこより大きい鍋を準備しましょう。
- 根元のブツブツを取ってゆでること!
ここからえぐみを強く感じることがあります。削っておくと良いです。
- 充分にゆでること!
少なくとも40分から1時間はゆでましょう。
- ゆであがったら冷水で冷やさずに冷めるまで放置すること
大きな鍋がない!たけのこのえぐみを抜いて下処理する時に重曹もおすすめ
いただいたたけのこが大きすぎて見合う大鍋が無い場合にはカットして茹でる方法もあります。また、ヌカや唐辛子ではなく重曹を使ってえぐみを取る方法もあります。
通常の鍋で下処理する際は、鍋に入る大きさにたけのこをカットしても良い!
ヌカや唐辛子の代わりに重曹を使用するとたけのこが綺麗に仕上がる!
カットしたたけのこでは、ヌカなどが間に入り込んでヌメリを感じることがあります。その際には重曹が便利です。割合は水1Lに重曹小さじ1程度です。
まとめ
せっかく手に入った皮付きのたけのこなので、ダメ元で下処理してみましょう。慣れない為、手際は良くないかもしれませんがたくさんのたけのこ料理が食べられるまで頑張ってみましょう。
重曹は手軽に使えるのでたけのこの下処理にはおすすめです。使いすぎると重曹特有のにがみを感じるかもしれません。分量を守って行いましょう。では、春の香りと共に下処理や調理をお楽しみください。
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