除夜の鐘は大晦日の年越しの耳慣れた習慣として何気にやり過ごしていたものの、近年クレームが入って、除夜の鐘の存続危機や取りやめる寺があるというから恐ろしいです。
騒音と言われれば確かにそうかもしれません。夜中に何をバカでかいびっくりするような鐘を鳴らしているの?と言われても仕方がない気がします。でも…いや?本当にクレームをつけることなのか?ちょっと落ち着いて考えてみませんか。
除夜の鐘へのクレームってどういうこと?
除夜の鐘に何のクレームをつけるの?理解できない人も多いと思います。クレームの内容は
- 年越しのいわば深夜にゴーン、カーンと音が鳴っては静かに眠れない
- 近所の寺が一斉にならすので108回以上聞こえてうるさい
などが理由で、しつこく鐘がやむまで寺に電話をかけまくるなど嫌がらせも相次いでいると言います。また、最近の傾向で1つクレームがあると無難に従う為、クレーマーが「注意してやった」「意見が通った」と調子に乗ってしまうことも背景にあるそうです。
たとえ少数派のクレームだとしても、その人は「音に困っている人」ととらえると、寺の伝統ばかりを主張することができないのが実情です。
反対に、是非大晦日の除夜の鐘は続けてほしいと願う人がいるのも事実でしょう。そこで寺はどのように対応しているのか例を見てみましょう。
除夜の鐘にクレームが来た寺の対応とは?
大晦日の深夜0時を挟む時間帯にその年の煩悩を洗い直して新年を迎えるという意味がある除夜の鐘にクレームをつけられた寺は、どのように対応しているのでしょう。
さすがにクレームをつけられてまで、寒い夜中に鐘をつくのはお寺も面白くありません。「煩悩を洗い直す除夜の鐘で頭を悩ます住民がいるのであれば、対処しましょう!」という寺が増えています。
「除夜の鐘を廃止」
または
「除夜の鐘の時間を変更して昼間や夕方にした」
良いかも!除夜の鐘は深夜のものなので見に行くにはおっくうですが、昼間や夕方だと風物詩として見学に行くのも楽しいかもしれません。
除夜の鐘にクレームをするのは誰?
除夜の鐘にクレームをつける人は誰なのでしょうか。こういった人たちが出てきているのにも、何か理由や背景があるはずです。
こういったクレームが出てくるのは、近年の社会環境が影響しているのかも知れません。
数十年前は大晦日や正月といったら、店舗などは数日間の間、どこもお休みでした。ところが、近年では正月でも営業しているところも多く、正月だからといって買い物に困ることは、ほとんどありません。
しかし、店舗が営業しているということは、当然、正月も休みなく働いている方が大勢いるということで、そういった方々は大晦日もちゃんと眠らないと、次の日の仕事が辛くなります。
店舗が365日、1日24時間営業していれば、確かに便利ではありますが、それを支えている人たちがいることも忘れてはいけません。私達はそういった便利さだけを追い求めるのを、少し見直す必要があるのかも知れませんね。
それでも伝統は大事にしてほしい
除夜の鐘にクレームをつけるのは、その考えが正しいと思ってのことなのでしょうが、相手の個性や伝統も考えるべきかもしれません。
確かに除夜の鐘は家の中でも聞こえる、少しだけ耳に響く音かもしれません。自分の思う所を吐き出したい気持ちもあるでしょう。しかし、言われた方の気持ちも考えてお互いさまの精神で年に1度の行事を見守っていきませんか。
家族でも生活するには意見や習慣の違いがあります。他人と同じ方向性を持てることの方が珍らしいでしょう。同じように造られた機械ロボットではない人間なので、人のすることに1つ1つを気にしていては、心休まる日がなくなりそうです。
個人の空間やプライバシーばかりを主張していては、人間関係は良い方向には向かないでしょう。持ちつ持たれつ、互いを思いやる気持ちは大切です。
日本人は思いやりの精神をもっていると世界的に有名になっています。例えば
- 震災時にも我先にと取り乱すことなく並んで配給を待つこと
- 同じく震災時に金庫などが警察に届けられる温かい国民性
先日の平成30年北海道地震でも停電で真っ暗になった観光地で不安な外国人観光客に対して、日本人がボランティアでフォローしたことや、外国人観光客が避難所にいる間、日本人から無償で食事の提供を受けたことに外国人が感動している姿が報道されていました。そんな良き日本の精神を皆が大切に持っていてくれたらなあと願っています。
まとめ
除夜の鐘にクレームをつける人がいるのは今後も変わらずいるのでしょう。伝統的な習慣とはいえ、時代の変化と共に大晦日の「音」も変化していくのでしょう。
残念な気がしますが、ふと時代の変化を考えてみると今やロボットがお経を読みますし、墓はエレベーター式駐車場のようにボタンを押して現れるマンション型お墓もあるなど伝統ばかりではなく、世の流れに従って変化しているのかもしれません。
除夜の鐘にクレームをするつもりはありませんし、クレーマーを批判するつもりもありませんが、世の中色々な意見がある中で共存しているのだなあと冷静に自分を見つめ直す機会になりました。平穏に年を超えていきたいとあらてめて感じるニュースです。
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