新型コロナウイルスの影響でマスク不足が深刻になっているが、政府が4月1日に1世帯につき、マスクを2枚配布すると表明したが、ツイッターなどで批判の声が多数上がっている。
経済政策のアベノミクスにちなんで「アベノマスク」などと揶揄され、トレンドランキングでも急上昇した。批判の内容は、
- 全然足りない。
- 必要ない。
- エイプリールフールかと思った。
- 竹槍で戦うようなもの。
- もっと他のことにお金を使ってくれ。
- 対応が遅すぎる。
- アベノマスクは今年の流行語大賞。
などと散々な言われようだ。政府はなぜこのような対策をとったのか考察してみた。マスクをする意味やおすすめマスクなどについても触れてみる。
なんで2枚の布製マスクを配るの?
マスク2枚なんて貰っても全然意味がないと感じる方は多いはずだ。なぜなら、マスクといえば不織布製の使い捨てのイメージを持っている人が多い。
確かに使い捨てのマスクを2枚貰ったところで、ほとんど約には立たないだろうが、政府から配られるマスクは一昔前には標準的だった「布製のマスク」だ。
布製のマスクは繰り返し使用できる
布製のメリットとしては、洗って繰り返し使用できることがある。つまり一人一枚あれば、当分の間使えるし、予備としてもう一枚あれば安心だ。
とはいえ、1世帯で使うには、これでは全然足りないという家庭は多いだろう。それらの声に多少答えたのか、1つの住所に複数の世帯が同居している場合などについては、今後追加の配布を検討するということだ。
多少はマスク不足の解消も
日本には約5800世帯があり、これは人口の約半分である。つまり、1世帯の平均は2人程度でそれに対して2枚くばれば、計算上ほぼ人口数分のマスクが配れるということになる。
世帯のうち1人が洗いながら2枚使ったとしても、人口の半分が当分の間はしのげるので、マスク不足は多少解消されるのは間違いない。
SNSでは、電車の中で口に眼帯を付けている、ちょっとかわいそうなおじさんの画像なども出回っていた。
一人一人だと遅くなることが予想される
布マスクは意外と厚みがあるので枚数が増えると手軽な封筒に入らない、配達員の負担が大きくなるなどもあるだろう。恐らく配達員はバイクに積んで配るのだろうが、厚みがあると何回も往復して取りに行かなければならない。
郵便局にはタウンプラスという指定地域の全世帯に送るサービスがある。
こういったサービスを利用すれば、国が郵便局に依頼して、すばやくマスクを届けることができるが、一人一人というと自治体などへの手続きなどが発生して家庭まで届くのがかなり遅くなると言った現実もあるのだろう。
国には国民一人一人の住所情報はなく、それを持っているのは自治体のはずであり、そうであれば自治体の協力が必要になってスピード感が鈍くなる。
アベノミクスからアベノマスクへ
合理性を考えるとマスク2枚の配布は意味がないとはいえないが、すばやく国民一人一人に届ける制度がないとしたら、そのへんが問題なのかなと思う。
やはり、世帯によって人数が異なるのだから、一人一人に届けるのが公平である。
アメリカのブルームバーグ通信でも「アベノミクスからアベノマスクへ」などという記事が配信され、国民としては何だか悔しい。
なんでマスク不足なの?
そもそも、なんでマスク不足が続くのだろうか?
政府はマスクの増産をメーカーに働きかけ、2月末に週1億枚の供給(月刊にすると4億枚ペース)、3月はさらに増えて月6億枚の生産体制、4月にはこれが7億枚を超えるという。かなりのペースで増産をしてるのに足らないのだ。
転売目的による買い占め
ちょっと前には買い占めをしてオークションなどでの転売が問題になっていた。マスク一箱が数万円という信じられない金額になったりしていた。
今では法整備などにより今ではオークションでの転売が難しくなっている。3月15日より高額でマスクの転売をした場合は、100万以下の罰金もしくは1年以下の懲役になってしまう。意外と重い刑である。
それだけでなく、オークションサイトではマスクの出品を禁止するなどして対応している。もし出品した場合は、だれかに通報され、強制的に削除されてしまうらしい。
これでマスク不足問題は解消されるかにも見えたが、それ以降もマスク不足が続いている。いったいなぜなのだろうか?
高齢者による買い占め
まず考えられるのは、転売屋以外の買い占めがまだ続いていることである。
ツイッターなどでは、ドラッグストアに開店数時間前から行列ができていると報告されている。本当かどうかはわからないが「私は300枚持ってる」「私は500枚だ」などという会話が聞こえたりもするとか。
並んでいるのは高齢者が多いようだが、これが本当なら出勤している人はとてもじゃなくがマスクが手に入らない。
中国企業の関係者による買い占め
中国企業の関係者が大量に買い占めをしているという話もある。
3月上旬の午前7時半。大阪市内にあるドラッグストアには、マスクを買うためか長い行列ができていました。並んでいるのは中国人が多いようです。
そのなかで不審な行動をする人物を発見。深緑のダウンジャケットを着た男性はマスクを2箱購入しました。すると、青いコートの女性に近付いてマスクの箱を渡します。
実は、この女性は他にも複数の中国人からマスクを受け取っていました。その次の日にも…。(テレ朝ニュース)
また、エキサイトニュースによると、オーストラリアでは中国企業が従業員にマスクや除菌グッズを購入しろと指示をし、中国に大量に送っているという。
日本にも多数の中国企業があるので、これが本当だとすると同様のことが行われている可能性がある。
マスクはウイルスに効果があるの?
マスク不足で騒ぎになっているが、そもそもマスクはコロナウイルスを封じる効果はあるのだろうか?
コロナウイルスの大きさは花粉などと比較しても非常に小さく、一般の花粉用のマスクではウイルスを防げるかどうか疑問視されている。
ただ、咳やくしゃみなどによる飛沫の拡散は防げるので、他人に感染させるリスクは減らすことができるという。マスクを指定ない人が近くで話していたり、咳などをすると嫌に感じる人は今は多いだろう。
そういったことでエチケットとしてマスクは重要視されている。また、装着することで、なんとなくウイルスから防御しているような安心感を得ることもできる。
欧米と比べて日本の感染状況が桁違いで少ないのは、もしかしたらマスクをつける習慣があるのが影響しているのかもしれない。
アメリカ疾病対策センター(CDC)や世界保健機関(WHO)は、これまで症状のない人のマスク着用を推奨していなかったが、ここに来てCDCは、マスクの着用を勧めないとするガイドラインを見直す可能性を示唆している。
新型コロナウイルスは、感染していても無症状の方が一定数いるというが、そういった方々が媒介になって感染が広がっている可能性も否定できない。
耳が痛くならないおすすめのマスクとは?
筆者もマスクをよく着用するが、以前は布製のマスクや使い捨てマスクをしていた。しかし、付ける時間が長いので次第に耳の痛みを感じるようになって困っていた。
同じような悩みを持つ人もいるようで、「くびにかけるくん」などの耳ではなく首にかけるマスク補助具も発売されている。
確かにこういったアイテムを使うと耳は痛くはならないのだが、装着するときにちょっと面倒な感じることもあるだろう。そこで最近、筆者がよく使っているのがポリウレタン製のマスクだ。
テレビで「PITTA MASK」の紹介を見てから愛用するようになったが、このマスクをするようになってから、耳の痛さを感じることはほとんどなくった。
ポリウレタン製のマスクのその他メリットは、顔にピッタリとフィットするところだ。
使い捨てのマスクなどをしていると、どうしても隙間ができてしまうので、そこから花粉などが侵入するのではないかと不安に感じることがあるが、ポリウレタン製のマスクだと隙間がほとんどできない。
ウイルスの侵入を防ぐことは恐らくできないだろうが、花粉は99%防げるという。
最初は独特にニオイが気になるが、使っているうちにすぐに慣れる。また、布マスクのように洗って何回か使用することができる。値段は使い捨てのマスクと比較すると高いが、その点を考えると経済性はそれほど悪くはない。何かとおすすめできるマスクだ。
まとめ
今回、政府が1世帯あたりマスク2枚を配ると表明したが、ツイッターなどのSNSでは「アベノマスク」などと揶揄され、批判の声も多い。
合理性などを考えてると、ある程度のマスク不足の解消効果などが期待され、全く無駄な対策だとは思わないが、不十分だと感じる方も多いのも確かだろう。
諸外国に比べて日本の対応は遅いと行った批判が多くあるが、この機会に緊急時に国がこういった対策をすばやく実施できるように法制度を整えてほしい。
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