日本の経済成長の状況は?失われた20年はいつからいつまで?

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よく日本経済は失われた20年などと言われることがあるが、日本の経済成長は長い間停滞しておりました。

経済成長の重要な指標にGDP(国民総生産)があります。

GDPとは、国内で一定期間の間に生産されたモノやサービスの付加価値の合計金額のことですが、簡単にいえば、国がどれだけ儲けたかを示しています。

GDPには「実質GDP」と「名目GDP」がありますが、実質は名目から物価の変動による影響を差し引いたものとなります。

日本の経済成長の推移や、失われた20年がいつ始まっていつまで続いたかについて説明していきたいと思います。

高層ビル群

「出典:Wikipedia」

日本のGDPの推移は?

下図は日本の「実質GDP」と「名目GDP」の推移を折れ線グラフにしたものです。

基本的には名目のほうが実質よりも高いですが、物価が下落するデフレの状態では、これらが反転することもあります。直近では2011年から2013年までが、その状態となっておりますね。

GDPといえば一般的には名目を指すことが多いので、ここからは「名目GDP=GDP」として見ていきます。

このグラフを見ると、日本は1990年頃までは順調にGDPが増えて経済成長しておりますが、その後はほとんど成長していないことがわかります。

日本のGDP推移(名目・実質)

失われた20年とは?

失われた20年とはどの時期を指すのでしょうか?

グラフを見ればわかりますが、1990年ぐらいから経済成長をほとんどしていない時期があり、これはよく失われた20年とか言われます。

1991年にバブル崩壊が起こったのですが、実はその後も1997年ぐらいまでは、緩やかに経済成長は続いています。その後は下落傾向なのですが、これは1997年に消費税率を3%から5%にしたのが原因だとも言われております。

2003年から2007年頃までは、アメリカ経済の好調などもあってかなり緩やかに回復しておりますが、2008年のリーマン・ショックでいったん大幅に下落してしまいます。

その後はしばらくは停滞が続きましたが、2013年頃から再び経済成長しております。

最近ではGDPは過去最高を更新しており、一見失われた20年は終わったかに見えますが、まだ予断は許さない状況です。この後、大きな落ち込みがあれば、今度は失われた30年になってしまうかもしれません。

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1人当たりのGDP推移

国の経済を示すのにGDPは重要な指標ですが、「1人当たりのGDP」という指標もよく注目されます。

1人当たりのGDPとは「GDPを人口で割ったもの」で、国民の豊かさを表す目安となっております。

下図は内閣府の資料を元に1人当たりのGDPの国際順位の推移を表したものですが、同じ内閣府のものでも資料によって多少のばらつきがあるので正確かどうかはわかりません。でも、だいたい合っていると思います。

一人当たりのGDP推移

この折れ線グラフを見ると、日本は1990年代初期から2000年頃までにかけては、1人当たりのGDPの国際順位は5位圏内の常連でした。

そこから急激に下落して20位程度のところをウロウロとしております。2009年から2012年まではやや順位が上昇しておりますが、これは円高によるためだと考えられます

この順位はGDPをドル換算して計算しているため、円高だと順位が高くなります。

例えば、GDPが500兆円として為替が円安の「1ドル120円」の場合は、ドル換算したGDPは「4.16兆ドル」となります。

これに対して、円高の「1ドル80円」の場合は、ドル換算したGDPは「6.25兆ドル」です。この為替の差で、2兆ドル以上のGDP差が出てきます。

もしかしたら、1人当たりのGDPの国際順位が2000年以降下落したのも、為替が影響しているのでしょうか?

ドル換算した1人当たりのGDPの推移

下の折れ線グラフはドル換算した1人当たりのGDP(日本)の推移です。つまり、為替の影響を考慮したグラフということになります。

1人当たりのGDPの順位については2000年頃から下落していると先程述べましたが、下のグラフを見ると、この頃は1人当たりのGDPが下落し続けているというわけではありません。一定のレンジ内で上がったり下がったりしております。

この時期は失われた20年に含まれており、円建てのGDPはほとんど変化がない状態です。

つまり、2000年頃からの順位の下落が続いているは為替のせいではないということがわかってきます。

日本が落ちて順位が下落していると言うよりはむしろ、他の国が追いついてきていると考えたほうが無難でしょうね。

一人当たりのGDP(ドル換算)推移

意外な国が1人当たりのGDPで1位?

ちなみに1人当たりのGDPが近年最も高い国は、ルクセンブルクです。G7にも入っていないし、聞き慣れない方もいるのではないでしょうか。

ルクセンブルクの1人当たりのGDPが高い理由として税優遇措置などにより企業の誘致に成功していることが挙げられます。企業が集まるので、陸続きである多くの周辺国の人たちがルクセンブルクで働いております。

イメージ的にはルクセンブルクが東京で、周辺国が埼玉や千葉、茨木といった感じです。

企業活動の活性化によってルクセンブルクのGDPは大きくなりますが、周辺国の人々はルクセンブルクの人口にはカウントされないので、1人当たりのGDPが高くなるというカラクリがあります。

1人当たりのGDPの順位上位国には、このような国が他にもあります。日本の順位が20以前後で悪すぎると感じる方が多いようですが、現実的にはそこまでは悲観する必要はなさそうです。

ルクセンブルクの位置

ルクセンブルクの位置(出典:Wikipedia

失われた20年の傷跡は?

日本がほとんど経済成長をしなかった失われた20年の間にも、他の国は経済成長を続けておりました。

世界でこれだけ経済成長をしていない国など、ほとんどありません。先進国となれば成長が鈍りますが、それでも20年も成長していなかったのは日本ぐらいです。

失われた20年が残した傷跡は小さくありません。かつてはジャパン・アズ・ナンバーワンと呼ばれていて日本の産業は黄金期を迎えましたが、残念ながら現在は産業に置いてそこまでの存在感はありません。

まだかつての黄金時代が忘れられず日本の産業がなにかとトップレベルでないと気に入らない方も多いようですが、そのような時代はもう終わっているという意識の改革が必要かもしれません。

家電や半導体といった産業は、今では韓国や台湾、中国といった国が主導権を握っております。筆者の記憶では、リーマン・ショック以前はまだ日本の家電が量販店などに並んでいましたが、その後に円高が続いたことで、海外製のものが並ぶようになった気がします。

それでも、自動車や素材といった分野では日本は、まだまだ強いと言えます。といはえ、自動車産業などは、世界的にかなり厳しい競争にさらされています。

比較的好調であるトヨタの社長が「2019年5月13日」に次のようなことを言って話題を呼びました。

「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた。」

トヨタでさえ安泰ではないという状況が伝わってきます。

まとめ

日本もかつはアメリカをお手本として家電や自動車といった分野で急成長してきました。しかし、トップまで来てしまうと今度は他の国に目標にされます。

失われた20年で追いつかれるのが多少早まった感はありますが、遅かれ早かれ、いずれはこるなる運命だったと思います。

日本が再びトップに躍り出るためには、日本初の産業革命のようなものが必要だと思いますが、それは容易ではないでしょう。

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