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知識をより深めるファインマンテクニックとは?簡単な例も紹介!

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学生の頃は、中間テストや期末テストには直前に丸暗記をして臨んだものです。

しかしながら、丸暗記した知識はすぐに忘れてしまうことが多く、その後の人生でほとんど役に立っていない方も多いのではないでしょうか。

知識を役に立てたいのなら、もう少ししっかりと深く記憶に留めるようにして、いつでもその知識を引き出せるようにしておかなければなりません

そこで今回はノーベル物理学賞を受賞したリチャード・ファインマンが、物事をより深く理解するために使っていたとされる、ファインマンテクニックについて解説したいと思います。実際に簡単な例なども紹介します。

勉強をする女性のイラスト

知識の段階について

ファインマンテクニックを知る前に、まずは知識についてもう少ししっておくとよいでしょう。

知識といっても、なんとなく知っている程度だったり、人に説明できるレベルだったりと、その深さには段階があります

一夜漬けで覚えた多くの記憶は、なんとなく聞いたことはあるといった程度でうっすらと記憶に留まっているかもしれませんが、そういった知識を誰かに説明しろと言われても、それは難しいのではないでしょうか。

学生の頃の試験では、一夜漬けで覚えた知識も役に立つかもしれませんが、大人になってからはなんとなく知っている知識はほとんど役に立たず、必要なのはより深い知識のほうですね。

出口汪氏の著作である「最強!」の記憶術によると記憶には4段階のレベルがあるといいます。それでは、知識の段階について簡単に見ていきましょう。

ファミリア(親近感)

なんとなく知っている、聞いたことがあるといった程度の記憶です。一夜漬けで覚えた記憶はその後はほとんど、この段階の記憶になっていきます。説明しろと言われても無理であり、知識としては、あまり役には立ちません。

リコグニション(見分ける)

これは、自力では思い出せないけど、いくつかの選択肢を与えられれば、その中から正解がわかるといった段階です。受験などでよく使われているマークシートの試験などでは、この段階の知識でも役に立ちます。

リコール(再生する)

これは選択肢がなくても、正解がわかるレベルです。この段階の知識であれば記述式の問題でも解くことができます。知識を実生活で活かしたいなら、最低でもこの辺のレベルを目指したいところです。

オートマチック(自動的)

これは思い出そうとしなくても、普段なにげなく使っているレベルの知識のことです。スマホの操作方法や車の運転方法などが、これにあたります。ここまでくれば、その知識は完全に自分のものになっているいえます。

知識をより深いレベルにするためには?

知識の段階について説明しましたが、ではどうすればより深い段階まで到達できるのかということが気になります。

最もオーソドックスな方法は、くり返し覚えることです。しかも短期間で一気に繰り返し覚えるのではなく、1回目の繰り返しは覚えた後すぐ、2回目は1日置いてから、3回目はそれから数日間感覚を置いてからと、ある程度時間をかけると効果的です。

「そんなことはわかっている。わかっていても計画的にそれがなかなかできないから苦労しているんじゃないか。もっと短期間で一気に記憶に留める方法はないのか。」と不満に思う方もいるかも知れません。

短期間で一気に集中して記憶を深めるには、次の方法があります。

  • 既存の知識を関連付けて整理する。
  • 感情を持ちながら覚える。

ただ、呆然と丸暗記するよりも、具体例と関連づけて覚えたほうが、より知識として留まりやすいことは、なんとなくでもわかると思います。

また、スポーツなどで大活躍したり、作品で賞をもらったりしたり、感情的にものすごくうれしい経験は、その後何年立ってもずっと覚えているでしょう。

逆に嫌なことがあったら、どの度合いが強ければ強いほど、なかなか忘れることができません。このように感情と記憶は深く関係しており、感情を利用して覚えると効果的です。具体的には、覚えながら「そうだったんだ」「おもしろい」など感じるようにします。

つまり、好奇心を持ちながら勉強するとよく覚えられますが、嫌々と作業をこなすように勉強しているとなかなか覚えられないということですね。これについては、思い当たる節があるのではないでしょうか。

ファインマンテクニックとは?

さて、いよいよ知識を深めるファインマンテクニックについて解説したいと思います。ファインマンテクニックの手順は次のようになります。

  1. テーマを選ぶ
  2. 知っていることを書く
  3. 再学習する
  4. 単純化する

テーマについて、自分がある程度の知識があることを前提にしています。では手順について例も入れて、もう少し詳しく見ていきましょう。

テーマを選ぶ

まずは自分が何について学びたいのかを明確にして、そのテーマを書きます。例えば「応仁の乱」とか、「徳川家康について」、「江戸時代の文化」、「再エネ」なんでもかまいません。とにかく、テーマを明確にします。

知っていることを書く

次にそのテーマについて知っていることを、子供に教えるつもりで書きだしていきます。専門用語や複雑な語句は子供はわからないので使用しないように気をつけます。例えば、テーマが再エネの場合は次のような感じです。

  • 再エネとは再生可能エネルギーのことである。
  • 再生可能エネルギーは二酸化炭素を排出しないクリーナなエネルギーである。
  • 太陽光発電は特殊なパネルで太陽光を受けることで発電する。
  • 風力発電は風車を使って発電する。
  • バイオマス発電は木材などを燃やして発電する。

再学習

前の作業で、知識が曖昧でうまく説明できない部分が出てくるはずです。その部分については再学習をして、わかったことを加えていきます。

例えば、

  • 再生可能エネルギーってこれだけなのかな?
  • そもそも再生可能エネルギーの定義って何だろ?
  • バイオマス発電って木材を燃やすので、二酸化炭素を発生するよね。なんでこれが再生可能エネルギーに入るんだろ?

と疑問が出てきたりします。

そして改めて学習してみると、大気中の二酸化炭素を吸収した木材を燃やして、二酸化炭素を排出しているので、実質的に二酸化炭素の量は増えていないから、再生可能エネルギーの仲間ということになります。

また、前の段階で書き出した再生可能エネルギーの定義についても不十分であり、再生可能エネルギーは「枯渇しない」「どこにでも存在する」そして「二酸化炭素を排出しない」という3つの特徴があることがわかります。

単純化

最後に書いたことを見直して、不明瞭だったり、難しい部分があれば、子供にもわかるように単純にわかりやすく直します。

  • 再エネとは再生可能エネルギーのことである。
  • 再生可能エネルギーは「枯渇しない」「どこにでも存在する」「二酸化炭素を排出しない」という3つの特徴がある。
  • 再生可能エネルギーには太陽光発電、太陽熱発電、風力発電、地熱発電、バイオマス発電がある。
  • 太陽光発電は特殊なパネルで太陽光を受けることで発電する。
  • 太陽熱発電は太陽の光を集光した熱で、発電する。
  • 風力発電は風車を使って風の力で発電する。
  • 地熱発電は地下のマグマなどによって熱せられた高温の水や水蒸気の力を使って発電する。
  • バイオマス発電とは木材や燃えるゴミなどを燃やして発電する。
  • 木材などを燃やすと二酸化炭素を発生するが、これは成長の段階で吸収したものを出しているので、大気中の二酸化炭素を増やしているわけではない。

最初に自分で書き出した知識は、なんとなく知っているようで知らないことが多かったことがわかります。まずは現在知っていることをアウトプットすることで、足りないものや疑問が明確になり、何を学習すればよいのかがわかりやくすくなり、学習の効率があがります。

選んだテーマについてほとんど知識がない場合は、テーマ選択の後に知識のインプット作業を挟むとよいでしょう。

まとめ

知識の理解を深めるファインマンテクニックについて例なども示して解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

どうせ覚えるなら、実生活で役にたったり、話のネタとして人に説明できる程度にはしておきたいところです。

 

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