お子さんと水族館に行ったとき、タコの水槽の前で「ねえママ、タコってあたまいいの?」と聞かれて、答えに困ったことはありませんか。
テレビや本で「タコは天才」と紹介されているのを見て、なぜそんなに知能が高いのか気になっている方も多いはずです。骨も殻もないやわらかい体なのに、どうして賢いと言われるのでしょうか。
実は、タコの賢さには体のしくみや進化の歴史がしっかり関わっています。知れば知るほど、「えっ、そんなことができるの?」と驚く話ばかりです。
この記事では、タコの知能が高い理由を、小学生のお子さんにも伝わる言葉でやさしく解説します。読み終わるころには、お子さんの「なぜ?」に自信を持って答えられるようになりますよ。
水族館や家でできる楽しみ方もご紹介しますので、夏休みの自由研究や親子の会話のネタにもぴったりです。タコの意外な素顔を、一緒にのぞいてみましょう。
タコの知能はどれくらい高い?意外な実力に迫ります!
タコは「海の天才」と呼ばれることがあります。まずは、タコがどれくらい頭がいい生き物なのかを、身近なたとえを使って見ていきましょう。
無脊椎動物の中ではずば抜けて賢いと言われています
タコは、背骨を持たない無脊椎動物の仲間です。この仲間の中では、とびぬけて知能が高いと考えられています。
たとえば、昆虫や貝の仲間は、決まった行動を繰り返すことがほとんどです。ところがタコは、その場の状況を見て、行動を変えることができます。
背骨のある動物と比べても、学ぶ力や記憶力の高さで、研究者を驚かせてきました。
瓶のふたを開けて中のエサを取り出します
水族館や研究所では、タコに「ふたのついた瓶」を渡す実験が行われています。瓶の中にはエサが入っていて、タコはふたをひねって開けることができます。
しかも、一度やり方を覚えると、次からは短い時間で開けられるようになります。これは、見て学び、覚えているからこそできることですよね。
お子さんが初めて蛇口やペットボトルのふたを開けられたときのような、成長の瞬間に近いかもしれません。
道具を使うタコがいます!
ココナッツの殻を見つけて持ち歩き、危険を感じたら中に隠れるタコが、海で観察されています。殻を、あとで使うために運んでいるように見えるのです。
道具を使う動物は、サルやカラスなど限られた生き物だけだと思われてきました。タコの仲間がその一員だと分かったとき、世界中の研究者が注目しました。
先を考えて行動できる点が、タコの知能の高さを表していると言われています。
タコの知能が高い理由は脳にあった?驚きの体のしくみ!
では、なぜタコの知能は高いのでしょうか。その理由のひとつは、体のつくりにあります。ここでは脳と神経に注目して、わかりやすくお話しします。
神経細胞の数は約5億個と言われています
脳や体の中で情報を伝える細胞を、神経細胞といいます。タコの神経細胞は、約5億個もあると言われています。
これは、無脊椎動物としては、とても多い数です。犬の神経細胞の数に近いとする説もあり、「タコはペットの犬のように賢いかもしれない」と話題になりました。
数だけで頭のよさが決まるわけではありませんが、賢さの土台になっていることは確かだと考えられています。
脳は頭だけじゃない!足にも脳のような仕組みがあります
おどろくことに、タコの神経細胞の約3分の2は、頭ではなく8本の足にあると言われています。足がそれぞれ、小さな脳のように動くのです。
たとえば、足の先で触ったものが食べ物かどうかを、足自身がある程度判断できます。まるで8人の小さなお手伝いさんが、体の中にいるようですよね。
この仕組みのおかげで、タコは8本の足を同時に、器用に動かせるのです。
脳の形や大きさも特別です
タコの脳は、食道をドーナツのように取り囲む形をしています。体の大きさに比べると、脳はかなり大きい部類に入ります。
さらに、記憶や学習をつかさどる部分が発達していることも分かっています。ものを見て覚える力が強いのは、そのためだと考えられています。
私たち人間とは全く違う進化をしたのに、似た「賢さ」を手に入れた点が、タコ研究の面白いところです。
なぜタコは賢く進化した?意外な理由とは!
体のしくみが分かったところで、次は「どうして賢くなる必要があったのか」を考えてみましょう。進化の歴史や暮らしぶりに、そのヒントがあります。
殻を捨てたことで頭を使うようになりました
タコの祖先は、貝のように硬い殻を持っていたと考えられています。ところが進化の途中で、殻を手放しました。
殻がなくなると、体は自由に動けますが、敵から身を守るものがなくなります。そこで、隠れる、だます、逃げるといった工夫が必要になりました。
身を守るために頭を使い続けた結果、賢さが育ったのではないかと言われています。
狩りをする暮らしが脳を鍛えました
タコは、カニやエビ、貝などを自分で探して捕まえる肉食の生き物です。獲物は逃げたり、殻にこもったりするので、簡単には食べられません。
どこにいるかを探し、どう近づくかを考え、どの順番で殻をこじ開けるかを工夫します。この「考えて狩る」暮らしが、脳を発達させたと考えられています。
毎日が小さな謎解きの連続なんですね。
寿命が短いのに賢いのはなぜ?
多くのタコの寿命は、1年から数年ほどと言われています。短い一生の中で、親から教わる機会はほとんどありません。
そのため、自分の目と体で見つけたことを、その場でどんどん学ぶ必要があります。育ててくれる親がいない分、学ぶ力そのものが磨かれたのかもしれません。
生まれたときから「自分で考えて生きる」ことが求められる生き物と言えそうです。
恐るべき生態!タコの賢さがわかるエピソード!
タコの賢さは、日々の暮らしの中でもたくさん見つかります。ここでは、思わず「すごい!」と声が出てしまうエピソードをご紹介します。
周りの景色に溶け込む擬態の達人です
タコは、体の色や模様、さらには肌のでこぼこまで変えて、岩や海藻にそっくりになります。ほんの一瞬で変身できるのが、驚きのポイントです。
しかも、タコ自身は色を見分ける目が弱いと言われています。それなのに、周りの様子に合わせて上手に姿を変えるのですから、不思議ですよね。
この擬態の力は、敵から身を守り、獲物に近づくための大切な武器です。
水槽からの脱走を成功させた名人もいます
水族館では、タコが水槽のふたを開けて外に出てしまった、という話がたびたび伝わっています。ニュージーランドの水族館では、排水管を通って海へ帰ったタコが話題になりました。
小さな隙間さえあれば、やわらかい体をぐにゃっと変形させて通り抜けてしまいます。飼育員さんは、タコの水槽を厳重に管理しているそうですよ。
逃げ道を見つけて実行する力は、まさに賢さの表れです。
人の顔を見分けているかもしれません
水族館の研究では、タコが人を見分けている様子が報告されています。いつもエサをくれる人には近づき、嫌なことをする人には水をかけたという例があります。
人間の顔をどう見ているのかは、まだ分かっていないことも多いです。それでも、相手によって態度を変えるのは、記憶力と判断力があるからこそだと考えられています。
お子さんにこの話をすると、きっと目を輝かせますよ。
もっと知りたくなったら図鑑がおすすめです
タコの擬態や生態は、写真で見ると驚きがぐっと増します。お子さんが「もっと知りたい!」と言い出したときに、海の生き物の図鑑が一冊あると便利です。
小学館の図鑑NEO 水の生物は、写真が大きくて見やすく、タコやイカの仲間もしっかり載っています。読み物としても楽しめるので、小学生のお子さんにぴったりです。
もう少しやさしい内容がよければ、学研の図鑑LIVE 水の生き物がおすすめです。ふりがなが多く、低学年のお子さんでも自分で読み進めやすいのが魅力です。
子どもと一緒にタコの賢さを楽しむには?
最後に、おうちでも水族館でもできる、タコの賢さの楽しみ方をお伝えします。親子の会話が広がるヒントとして、ぜひ使ってみてください。
水族館ではタコの動きをじっくり観察しましょう
水族館でタコを見つけたら、少し長めに水槽の前で立ち止まってみましょう。足をどう動かしているか、体の色がどう変わるかを、お子さんと探してみてください。
「今、どこを見ているのかな?」「次は何をするかな?」と問いかけると、観察力もぐんと育ちます。エサの時間に合わせて行くと、賢い動きが見られるかもしれません。
家では考える遊びでタコ気分を味わえます
タコが瓶のふたを開けるように、お子さんにも「どうしたらできるかな?」と考える遊びを楽しんでもらいましょう。パズルや積み木のような、ひらめきが必要な遊びが向いています。
うまくいかないときも、すぐに答えを教えず、見守ってあげるのがコツです。自分で解けたときの嬉しさが、次のやる気につながります。
考える力を育てる知育パズルもおすすめです
タコのように試行錯誤を楽しむなら、立体パズルのような知育玩具が役立ちます。木製のパズルは手ざわりがやさしく、小さなお子さんでも安心して遊べます。
形を組み合わせる遊びは、空間を考える力も育ちます。タコの話をしながら一緒に遊ぶと、会話もより盛り上がりますよ。
「なぜ?」を一緒に調べる時間を大切にしましょう
お子さんから出た質問は、一緒に図鑑やインターネットで調べると、思い出に残る学びになります。親が全部答えなくても、「一緒に調べよう」で十分です。
調べたことを絵日記や自由研究にまとめるのも、おすすめです。タコの賢さをテーマにすれば、ユニークな作品に仕上がりますよ。
よくある質問
タコの知能については、ほかにも気になることがたくさんありますよね。ここでは、お子さんからよく出る疑問や、ママが気になりやすい質問にお答えします。
タコは犬や猫より頭がいいの?
頭のよさは、何を基準にするかで変わるため、単純には比べられません。ただ、タコは無脊椎動物としては特別に賢く、問題を解く力は犬に近いとも言われています。
ただし、犬や猫のように人と一緒に暮らしてきた歴史はないため、同じものさしでは測れません。それぞれ得意なことが違うと考えるのがよさそうです。
タコは人の顔を見分けられるの?
水族館の観察では、特定の人にだけ違う反応を示したという報告があります。人を見分けている可能性は高いと考えられています。
どんな手がかりで見分けているのかは、まだ研究の途中です。服や動き、においなど、いくつかを組み合わせているのかもしれません。
タコの脳はどこにあるの?
頭の中に、食道を囲むような形の脳があります。さらに、神経細胞の多くは8本の足にもあり、足が自分で判断する場面もあると言われています。
そのため、タコは「脳がいくつもある」と紹介されることがあります。厳密には、脳と、足の神経のかたまりが力を合わせている、というイメージです。
タコとイカはどちらが賢いの?
タコもイカも、同じ頭足類の仲間で、どちらも賢い生き物です。タコは道具を使ったり、問題を解いたりする様子がよく知られています。
イカは群れで協力したり、体の模様でコミュニケーションをとったりします。賢さのタイプが違うので、どちらが上と決めるのは難しいですね。
タコは痛みを感じるの?
タコも痛みや不快な刺激を感じていると考える研究者が増えています。ケガをした部分をかばうような行動も観察されています。
そのため、いくつかの国では、タコを動物福祉の対象とする動きも広がっています。生き物への思いやりを、お子さんと考えるきっかけにもなりそうです。
家でタコを飼うことはできるの?
タコは脱走が得意で、水質の管理も難しいため、初心者が飼うのは簡単ではありません。必要な設備や知識も多く、ご家庭での飼育はあまりおすすめできません。
まずは水族館で観察したり、図鑑や動画で学んだりして、タコの魅力を楽しむのがよいでしょう。
まとめ
タコの知能が高い理由は、ひとつではありません。約5億個とも言われる神経細胞、足にも広がる神経のネットワーク、そして殻を捨てて頭で身を守るという進化の歴史が、賢さを生み出したと考えられています。
さらに、獲物を探して狩る暮らしや、親に教わらずに自分で学ぶ一生も、タコの脳を鍛えてきました。瓶のふたを開けたり、ココナッツの殻を道具として使ったり、擬態や脱走を見せたりと、その賢さは行動にしっかり表れています。
お子さんから「なぜタコは頭がいいの?」と聞かれたら、今日の話を伝えてみてください。「体のつくりと暮らし方が、タコを賢くしたんだよ」と話せば、きっと目を丸くして聞いてくれるはずです。
水族館でタコを観察したり、図鑑で調べたり、パズルで一緒に考えたりすれば、親子の時間がもっと楽しくなります。身近な疑問から始まる学びは、お子さんの好奇心を大きく育ててくれますよ。
ぜひ次のお休みには、タコの水槽の前で、じっくり足を止めてみてくださいね。新しい発見が、きっと待っています。

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