水族館や食卓でタコを見ていると、お子さんから「ねえ、タコって何年生きるの?」と聞かれてドキッとしたことはありませんか?
犬や猫なら何となく答えられても、タコの寿命となると意外と知らない方が多いですよね。調べてみると「短い」という言葉は出てきますが、どれくらいなのか、なぜ短いのかまでは、なかなかスッキリ分かりません。
この記事では、タコの寿命がどれくらいなのかを、種類ごとの違いも含めてやさしく解説します。短いと言われる理由や、驚きの長寿記録、親子で楽しめる学び方もご紹介します。
読み終えるころには、お子さんの「なぜ?」にすっと答えられるようになっているはずです。ちょっと切なくて、でもびっくりするタコの一生を、一緒にのぞいてみましょう!
タコの寿命はどれくらい?種類ごとの目安をチェック!
ひとことで「タコ」といっても、実は世界に数百種類もいて、種類によって寿命は変わります。ここでは、日本でなじみ深いタコを中心に、寿命の目安を見ていきましょう。
身近なマダコは1年から2年ほどといわれています
スーパーや魚屋さんでよく見かけるマダコは、一般に寿命が1年から2年ほどとされています。生まれてから1年ほどで大人になり、そのあと間もなく一生を終える種類です。
お子さんに伝えるなら、「小学校の1年生が2年生になるころには、もう一生が終わってしまうこともあるんだよ」と話すと、短さがイメージしやすいかもしれませんね。
大きなミズダコは数年生きる種類もいます
北海道などで見られるミズダコは、体が大きく、寿命も3年から5年ほどといわれています。マダコよりは長生きですが、それでも人間の感覚では短いですよね。
大きな体になるまでに時間がかかる分、ゆっくり成長するのが特徴です。種類によって一生のペースが違うのも、タコのおもしろいところです。
小さなイイダコなどは1年ほどの一生とされています
おでんや煮物でおなじみの小さなイイダコは、1年ほどで一生を終えると考えられています。お米のような卵を産むことから名前がついた、といわれることもありますよ。
小型のタコほど寿命が短い傾向があるようです。ただし、くわしい生態が分かっていない種類も多いので、あくまで目安として覚えておきましょう。
なぜタコの寿命は短い?ひみつは「一生に一度の子育て」にあった!
タコの寿命が短いのには、ちゃんと理由があります。実はタコは、命をかけて子孫を残す生き物なのです。ここでは、その切ない仕組みを順番にお話しします。
タコは一生に一度だけ産卵して命をつなぎます
多くのタコは、大人になると一生に一度だけ卵を産みます。マダコのメスは、数万個から多いときには数十万個ともいわれる卵を産むことがあります。
人間のように何度も出産するのではなく、一度に全力を出し切るタイプです。この「一度きり」の生き方が、寿命の短さにつながっています。
卵を守るお母さんタコは、ごはんを食べなくなります
産卵を終えたメスは、巣穴にこもって卵を守り続けます。卵に新鮮な水を送ったり、汚れをそうじしたりと、とても働き者です。
この間、お母さんタコはほとんど食べ物を口にしないといわれています。卵がかえるころには体力を使い果たし、静かに一生を終えるのです。小さなお子さんでも、ママの愛情を感じる話ですよね。
オスのタコも、交尾のあとは弱っていきます
オスも長生きするわけではなく、交尾のあとは次第に体が弱っていくとされています。食べる量が減り、動きもにぶくなって、やがて寿命を迎えます。
オスとメスのどちらも、子孫を残すことに力を注ぎきる一生です。「短い」というより「ぎゅっと濃い」と言ったほうが合っているかもしれません。
体の中の小さな器官が、老いのスイッチを押すと考えられています
タコの目のうしろには、視神経腺(ししんけいせん)という小さな器官があります。産卵のころにここから出る物質が、食欲をなくしたり体が弱ったりする変化に関わると考えられています。
昔の研究では、この器官を取り除いたメスが食べ続けて長生きしたという報告もあります。ただし、くわしい仕組みはまだ研究が続いているところです。
びっくり!深海のタコは4年半も卵を守った記録がある!
短命のイメージが強いタコですが、実は驚きの記録を持つ種類もいます。深海の世界では、時間の流れ方がちがうのかもしれません。
4年半も卵を抱き続けたお母さんタコがいた!
アメリカの海洋研究所が観察した深海のタコは、なんと約4年半(53か月ほど)も卵を守り続けたと報告されています。これは動物の卵の世話の期間として、とても長い記録といわれています。
浅い海のタコが数週間から数か月で卵がかえるのと比べると、桁ちがいですよね。お子さんにも「4年って、幼稚園の年少さんが小学生になるまでだよ」と伝えると、驚いてくれそうです。
冷たい深海では、成長もゆっくりになります
深い海の水温は、とても低くなっています。体の中の働きもゆっくりになるため、卵が育つスピードもおそくなると考えられています。
そのぶん卵の中でじっくり育ち、かえったときには、すでにしっかりした体をしているともいわれます。環境しだいで、生き方が大きく変わるのですね。
お母さんタコの子育てパワーはすごい!
長い間、じっと卵を守り続けるお母さんタコの姿は、まさに根気のかたまりです。敵から卵を守り、水を送り続けるのは、きっと大変なことでしょう。
毎日の家事や育児で疲れたときに、「タコのお母さんもがんばっているんだな」と思うと、ちょっと元気が出てきませんか?
短い一生でも輝いている!タコの頭のよさと体のふしぎ
寿命が短いからといって、タコがぼんやり生きているわけではありません。むしろ、短い間にたくさんのことを学び、体にも驚きのしくみがあります。
タコには心臓が3つ、血は青いってほんとう?
タコの心臓は、全部で3つあります。1つは体じゅうに血を送り、残りの2つはエラに血を送る役目です。さらに、血の色は青っぽいことが知られています。
銅を含む成分で酸素を運ぶためだといわれています。お子さんに「タコの血は何色だと思う?」とクイズにすると、盛り上がりますよ。
瓶のふたを開けるほどの賢さを持つ
タコは、無脊椎動物の中でもとくに賢いといわれています。水族館では、瓶のふたをくるくる回して開け、中のエサを取り出す様子が紹介されることもあります。
迷路を通りぬけたり、人の顔を見分けたりするという話もありますが、くわしい能力は研究中です。1年ほどの一生で、これだけ学べるのはすごいですよね。
親に教わらなくても、生きる力を持って生まれてきます
タコの赤ちゃんは、たいていの場合、お父さんやお母さんに会うことができません。卵がかえるころには、お母さんはもういないからです。
それでも自分でエサを探し、敵から逃げながら育っていきます。教わらなくても生きていく力は、まさに自然の知恵です。
水族館やおうちで楽しめる!タコの寿命を子どもと学ぶコツ
せっかく知ったタコの豆知識は、お子さんと一緒に楽しんで、記憶に残したいですよね。ここでは、おでかけやおうち時間で使えるアイデアをお伝えします。
水族館でタコをじっくり観察してみましょう
水族館にタコがいたら、ぜひ5分ほどじっくり観察してみてください。吸盤の動きや、体の色の変化、ふと目が合う瞬間など、発見がたくさんあります。
解説パネルに寿命や産卵のことが書かれている場合もあります。「この子は何歳くらいかな?」と話しながら見ると、いつもの水族館がぐっと楽しくなります。
図鑑があると「なぜ?」にすぐ答えられます
お子さんの疑問は、思い立ったときにすぐ調べられると、学びが深まります。おうちに水の生き物の図鑑が1冊あると、タコ以外の生き物にも興味が広がりますよ。
写真やイラストが多い図鑑なら、まだ字が読めない年齢でも楽しめます。小学生以上なら、親子でクイズを出し合うのもおすすめです。
親子で調べるのにあると便利な図鑑
小学館の図鑑NEO 水の生き物は、写真が大きく、子どもが見やすい構成として人気があります。タコのほかに、魚やクラゲ、貝などもまとめて調べられるので、長く使えますよ。
学研の図鑑LIVEの水の生き物は、迫力のある写真で、生き物の暮らしぶりまで楽しく学べるのが魅力です。お子さんが気に入りそうな表紙を選ぶのもよいですね。
たこ焼きの日に、タコのお話をしてみましょう
週末のたこ焼きパーティーは、タコの話をするのにぴったりのタイミングです。「このタコは何年くらい生きたのかな」と話すと、命のありがたみを考えるきっかけになります。
おうちで手軽に楽しむなら、たこ焼き器が1台あると便利です。お子さんも一緒にくるくるひっくり返す体験ができて、食育にもつながります。
家族で盛り上がるたこ焼き器
山善のたこ焼き器は、コンパクトで出し入れしやすく、家庭用として使いやすいタイプが揃っています。お値段も手ごろなものが多いので、初めての1台にも選びやすいですよ。
よくある質問
タコの寿命について、ママたちから寄せられそうな疑問をまとめました。お子さんに聞かれたときの参考に、ぜひ読んでみてくださいね。
タコは飼育すると、野生より長生きしますか?
飼育下でも、寿命が大きく変わるとは考えにくいといわれています。タコは種類ごとに一生のサイクルが決まっていて、大人になって産卵すると、環境にかかわらず弱っていくことが多いからです。
ただし、水族館では水質や食事が整っているので、元気に過ごしやすい面はあります。
タコのオスとメスで、寿命に違いはありますか?
種類にもよりますが、大きな差はないとされています。オスは交尾のあとに、メスは産卵や卵の世話のあとに、それぞれ弱っていく傾向があります。
ただ、メスは卵を守る期間が長いぶん、オスよりも少し長く生きる場合もあるようです。
タコの赤ちゃんはお母さんに会えるのですか?
多くのタコでは、赤ちゃんがかえるころにお母さんはすでに亡くなっているか、まもなく一生を終えます。そのため、親子が顔を合わせることはほとんどないと考えられています。
赤ちゃんは海の中をただよいながら、小さなプランクトンなどを食べて育ちます。
イカの寿命はタコと同じくらいですか?
イカも1年ほどで一生を終える種類が多く、タコと似た短命の生き物として知られています。ただし、大型のイカなどには、くわしい寿命が分かっていない種類もあります。
タコもイカも、短い期間でぐんぐん成長して、子孫を残すタイプなのですね。
世界でいちばん長生きのタコはどんなタコですか?
はっきり断言はできませんが、深海の種類が長い一生を送る可能性があるといわれています。先ほどご紹介したように、4年半も卵を守った記録があるため、一生もそれなりに長いと考えられています。
深い海の生き物はまだ分からないことが多く、これからの研究が楽しみです。
寿命が短いのに、なぜタコは賢いのですか?
短い期間で自分の力で生きていくために、学ぶ力が発達したのではないかと考えられています。親に教わることができないぶん、見て試して覚える力が大切になるからです。
くわしい理由はまだ研究が続いていますが、とても興味深いテーマですよね。
まとめ
タコの寿命は、身近なマダコで1年から2年ほど、大きなミズダコで3年から5年ほどといわれています。小さなイイダコなどは1年ほどと、種類によって少しずつ違いがあります。
短い理由は、一生に一度だけ産卵して、命をかけて子孫を残す生き方にあります。メスは卵を守りながら食べ物を口にしなくなり、オスも交尾のあとに弱っていくとされています。「短い」というより、ぎゅっと濃い一生といえそうですね。
一方で、深海には4年半も卵を守った記録もあり、タコの世界はまだまだ分からないことだらけです。心臓が3つあることや、瓶のふたを開けるほど賢いことなど、体や頭のふしぎもたくさんあります。
水族館で観察したり、図鑑で調べたり、たこ焼きの日にお話ししたりと、おうちでも楽しく学べますよ。ぜひお子さんと一緒に、タコの一生に思いをめぐらせてみてくださいね。

コメント