海辺や浜辺を散歩していたら、肉厚でぷっくりした葉っぱを持つ植物を見つけたことはありませんか?「あれ、食べられるって聞いたことがあるけど、どうやって下処理するんだろう」と気になっていたかたも多いのではないでしょうか。
そのぷっくりした植物こそが「ツルナ」です。ビタミンやミネラルが豊富で、海辺の野草として古くから親しまれてきた食材なのですが、下処理のやり方がよくわからなくて、せっかく採ってきても使いそびれてしまう方も多いようです。
「アクが強いって聞いたけど、どれくらいゆでればいいの?」「塩はどのくらい使えばいい?」「苦味が出ないか心配」そんな不安を持っていませんか?
この記事では、ツルナの下処理のやり方を、初めての方でもわかるように丁寧に解説していきます。基本の塩ゆで方法から、保存のコツ、さらにはおいしい食べ方のアイデアまで、ひとつひとつ丁寧にお伝えします。この記事を読み終えるころには、ツルナが「なんだか難しそう」から「意外と簡単!」に変わっているはずです。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ツルナってどんな植物?食べる前に知っておきたいこと
下処理のやり方を覚える前に、まずツルナという植物がどんなものかを少し知っておきましょう。知識があると、なぜこの手順が必要なのかが納得しやすくなりますよ。
海辺でよく見かける肉厚な葉っぱ
ツルナは、砂浜や海岸の岩場などに生えるハマミズナ科の多年草です。葉がぷっくりと肉厚で、表面に細かいツブツブがあるのが特徴的です。茎は地面を這うように伸び、春から秋にかけて黄色い小さな花を咲かせます。
漢字では「蔓菜」と書き、つるのように広がる様子からその名がついたといわれています。沖縄ではハマヂシャ、九州ではハマナなど地域によってさまざまな呼び名があります。
栄養価が高いのに日本ではまだ知る人ぞ知る存在
ツルナにはビタミンCやビタミンA、カルシウム、鉄分などが含まれていて、栄養価がとても高い野草です。海のミネラルをたっぷり吸収して育つため、ほうれん草やモロヘイヤに負けないくらいの栄養が含まれているとされています。
ニュージーランドほうれん草という別名もあるほどで、海外では野菜として広く食べられています。日本ではまだあまり一般的ではないですが、知る人ぞ知る健康食材として注目されています。
アクがあるのでそのまま食べるのはNG
ツルナにはシュウ酸などのアク成分が含まれています。そのまま生で食べると、えぐみや苦味を感じることがあります。歯ぐきがキシキシするような感覚を覚えたことのある方もいるかもしれません。
ただし、ほうれん草のようにアクがとくに強いわけではなく、しっかり下処理をすれば問題なく食べられます。これから紹介するやり方さえ覚えれば、おいしく仕上げることができますよ。
ツルナの下処理に必要な道具と準備
下処理を始める前に、必要な道具を揃えておくとスムーズに作業できます。特別な道具は必要なく、ふだんの料理で使うものばかりなので安心してください。
そろえておきたい道具リスト
まず必要なのは、大きめの鍋です。ツルナは加熱するとある程度かさが減りますが、最初はかなりのボリュームになることも多いので、できれば深めの鍋を用意しておくと安心です。
次にボウルと水です。ゆでた後に冷水にさらすために使います。大きいボウルに氷水を用意しておくと、色が鮮やかに仕上がります。その他、塩、まな板、包丁、ざるがあれば基本的な下処理ができます。
ツルナを採ってきた場合は洗いかたに注意
海辺で採ってきたツルナには、砂や小石が付いていることがあります。葉の表面にはツブツブがあるので、その間に砂が入り込んでいることも多いです。
流水でやさしく丁重に洗うことが大切です。葉を傷つけないようにしながら、一枚ずつ確認するように洗うと砂残りを防げます。とくに根元付近は汚れが溜まりやすいので、念入りに洗いましょう。
鮮度が落ちる前にすぐ下処理するのが基本
ツルナは鮮度が落ちやすい野草のひとつです。採ってきたり買ってきたりしたら、できるだけ早めに下処理をしておくのがポイントです。
冷蔵庫でそのまま保存すると、葉がしおれたり変色したりしやすくなります。当日中に下処理まで済ませておくと、食感も風味もよい状態をキープできます。
初めてでもできる!ツルナの下処理のやり方
いよいよ本題の下処理のやり方を説明します。手順自体はとてもシンプルなので、料理が得意でない方でも迷わず進めることができますよ。
ステップ1 茎と葉を確認して不要な部分を取り除く
まず、ツルナをざっと確認しましょう。傷んでいる葉や黄色くなっている部分があれば取り除きます。茎は太くて硬いものだと食感が悪くなることがあるので、あまりに太い部分は切り落としておくとよいです。
やわらかそうな先端部分と葉は、そのまま使えます。茎もある程度やわらかければ、一緒に調理できます。判断が難しい場合は、少しかじってみて硬さを確かめるのもひとつの方法です。
ステップ2 たっぷりのお湯に塩を加えてゆでる
鍋にたっぷりの水を入れて火にかけ、沸騰したら塩をひとつまみ加えます。塩を入れることで、色が鮮やかに仕上がり、アク抜き効果も高まります。
ツルナを入れたら、箸で軽く全体をお湯に沈めながら、1〜2分程度ゆでます。ゆですぎると葉がドロッとやわらかくなりすぎて食感が損なわれてしまいます。葉の色が鮮やかな緑に変わったら、取り出すタイミングのサインです。
ステップ3 冷水にさらしてアクを抜く
ゆであがったツルナを、すぐに冷水(または氷水)にさらします。この工程がアク抜きのカギになります。冷水にさらすことで、加熱を素早く止めて色止めになるとともに、えぐみの原因となる成分を水に溶け出させることができます。
2〜3分ほどしっかり冷水にさらしておくのがおすすめです。水が濁ってきたら、新しい水に取り替えるとよりていねいにアクが抜けます。
ステップ4 しっかり水気を絞って完成
冷水にさらし終わったら、ツルナを手でやさしく絞って水気を切ります。絞りすぎると食感がつぶれてしまうので、ふんわり押さえる程度でOKです。
水気が残りすぎると、料理に仕上げたときに水っぽくなってしまいます。ざるにあげてから少し時間をおくと、自然に余分な水分が落ちていきます。ここまでできれば、ツルナの基本の下処理は完了です。
下処理後のツルナを上手に保存するやり方
下処理したツルナは、すぐに使う場合はそのまま冷蔵しておけますが、まとめて処理した場合は保存方法を工夫するとぐっと使いやすくなります。
冷蔵保存するなら2〜3日以内を目安に
下処理済みのツルナは、しっかり水気を切ってからラップで包み、冷蔵庫で保存できます。保存の目安は2〜3日程度です。日にちがたつほど風味が落ちやすいので、早めに使いきるのがベストです。
保存袋に入れる場合は、空気をなるべく抜いておくと鮮度が保ちやすくなります。食べる前にもう一度さっと水洗いしておくと、より安心して使えます。
冷凍保存なら1か月を目安に楽しめる
まとめて採れたときや、しばらく保存しておきたい場合は冷凍がおすすめです。下処理したツルナを食べやすい長さに切ってから、小分けにしてラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍します。
使いたいときに使いたい分だけ取り出せるので、忙しい日の料理にも大活躍します。冷凍したツルナは、凍ったまま汁物や炒め物に加えると便利です。1か月を目安に使いきりましょう。
小分けにしておくと料理の幅が広がる
下処理後のツルナを適度な量ずつ小分けにしておくと、毎回の調理がぐっとラクになります。例えば一人分ずつ小分けにしておけば、お昼ごはんのもう一品にサッと加えることもできます。
みそ汁の具、ナムルの材料、炒め物のあと入れ食材など、さまざまな使い方ができるツルナは、ちょっとした「おかずのたし」にとても重宝します。ストックしておくと、食卓のバリエーションが広がりますよ。
下処理したツルナをおいしく食べるアイデア
下処理さえ終われば、あとはお好みの食べ方で楽しむだけです。クセが少なく、さまざまな料理に合わせやすいのがツルナの魅力のひとつです。
定番はシンプルなおひたし
下処理したツルナを食べやすい長さに切り、しょうゆとかつおぶしでいただくおひたしは、もっともシンプルな食べ方です。ほのかな磯の香りと、ほうれん草に似た風味が口の中に広がります。
ポン酢で和えたり、ごま油と塩で中華風にしたりしてもおいしいです。冷蔵庫でそのまま作りおきできるので、忙しい日の副菜としてもとても重宝します。
みそ汁やスープの具にも活躍
ツルナは汁物との相性も抜群です。みそ汁の具に加えるときは、仕上げに入れてさっと火を通す程度にすると、食感がほどよく残っておいしいです。豆腐や油揚げと合わせると風味が引き立ちます。
洋風のスープに入れても意外とよく合います。コンソメ味のスープに入れると、ほろ苦さがアクセントになって、大人っぽい味わいに仕上がります。
炒め物に加えるとボリュームがアップ
ニンニク炒めや豚肉と合わせた炒め物にツルナを加えると、緑の彩りが加わりボリュームもアップします。火を通しすぎないように仕上げに加えるのがポイントです。
塩昆布と合わせてさっと炒めるだけでも、おいしい一品になります。下処理済みのものを使えば時間もかからず、忙しい平日の夜にもすぐ作れます。
あると便利なアイテム
下処理したツルナを冷凍保存するなら、使いやすい冷凍保存袋が便利です。しっかり密閉できるジッパー付きの袋なら、鮮度を長持ちさせながら保存できます。
よくある質問
ツルナの下処理についてよく寄せられる疑問をまとめました。「そういえばこれどうするんだろう?」と思っていたことが解決するかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。
ツルナの下処理でゆで時間はどれくらいが目安ですか?
ゆで時間は1〜2分が目安です。葉の色が鮮やかな緑色に変わったら取り出すサインです。ゆですぎると食感がドロッとやわらかくなりすぎてしまうので、短めを意識するのがコツです。太い茎が含まれている場合は、少し長めに30秒ほど追加してもよいでしょう。
ツルナのアクは他の山菜と比べて強いですか?
ツルナのアクはほうれん草と同程度で、行者にんにくやわらびなどと比べると比較的おだやかです。塩ゆで後に冷水にさらすだけで十分アク抜きできます。長時間水にさらす必要はなく、2〜3分程度で問題ありません。
生のまま食べることはできますか?
生でも食べられないことはないですが、シュウ酸などのアク成分が含まれているため、えぐみを感じやすいです。とくに敏感な方や小さなお子さんには、きちんとゆでてから食べさせることをおすすめします。サラダにする場合も、一度さっとゆでて冷やしてから使うと食べやすくなります。
採取したてのツルナと市販のものでは下処理のやり方に違いはありますか?
基本的な下処理のやり方は同じです。ただし、海辺で採取したものは砂や塩分が付いていることが多いため、洗いかたをとくに念入りにする必要があります。市販のツルナはある程度洗われた状態で販売されていることが多いですが、それでも軽く水洗いしてから使うほうが安心です。
下処理後のツルナはどのくらい日持ちしますか?
冷蔵保存なら2〜3日、冷凍保存なら約1か月を目安にしてください。冷蔵の場合はラップや密閉袋でしっかり保存することが大切です。冷凍する場合は小分けにしておくと使いたいときにすぐ取り出せて便利です。なお、解凍後は再冷凍せずに使いきるようにしましょう。
ツルナはどんな料理に向いていますか?
おひたし、みそ汁、炒め物、スープなど幅広い料理に使えます。クセが少なく、ほうれん草のような感覚で使えるので、初めての方でも取り入れやすい食材です。和食だけでなく、洋風・中華風の料理にも合うので、ぜひいろいろ試してみてください。
まとめ
今回はツルナの下処理のやり方について、初めての方にもわかりやすく解説してきました。改めておさらいすると、基本の手順は「汚れを丁寧に洗い落とす→塩を加えたお湯で1〜2分ゆでる→冷水にさらしてアクを抜く→水気を絞る」というシンプルな流れです。
「なんだか難しそう」と思っていた方も、実際にやってみると意外とあっさり終わることに気づいていただけたのではないでしょうか。特別な道具も必要なく、ふだんの台所仕事の延長線上でできる作業です。
下処理さえ済ませてしまえば、おひたし、みそ汁、炒め物と、毎日の食卓にどんどん活用できます。冷凍保存しておくと、忙しい日にサッと取り出してもう一品加えられるのがとても便利です。栄養豊富なツルナを、日々の食事にうまく取り入れてみてください。
海辺でツルナを見かけたとき、「下処理が面倒そうだから」と素通りしていた方も、今度からは自信を持って持ち帰ってみてください。この記事のやり方を参考に、ぜひツルナの下処理に挑戦してみてくださいね。

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